今回は、森有正の『ドストエーフスキー覚書』です(「メディア」ページ「雑誌」セクション)。今号の『世界』も、急変する日本の防衛政策や格差貧困問題をめぐる深刻な論考が満載なのに、わたしのは若い頃の自分の内面の建築の話で、何だかとても場違いな感じです。そういえば、前著の連載をしていた時も、同じように感じていたのを思い出しました。Out of place, out of the world. 学術会議の改正案を論じた髙山佳奈子先生の論文を読むと、政府の強弁を追及できずに忘却へと流してしまう国会や世論の問題をより強く感じます。