2019.12.22 角川文庫のウェブマガシン「カドブン」にインタビューが載りました。
トランプの口癖「ディール」の裏にある本当の意味とは?」という題で、『キリスト教でたどるアメリカ史』の編集を担当してくれた中村さんのまとめです。日本では、アメリカ研究といっても現代に関心が集中しがちで、キリスト教の「通史」を扱った類書はありません。今回の増補にあたっては、過去と現在だけでなく、2050年という未来の姿にも多少の予測を加筆してあります。ウェブ上で「試し読み」もできるようですので、ぜひご覧ください。っていうか買ってください。
2019.12.19 ついにアメリカ福音派の主要紙がトランプ大統領の弾劾に賛成しました。
福音派の有力紙 Christianity Today です。この社説自体が大ニュースになり、New York Times で取り上げられています。通常はこのような政治的話題を扱わないが、この期に及んで何も言わずに済ますことはできない。たとえ民主党が党利党略で弾劾を進めたということを認めるにしても、大統領が憲法違反だし不道徳だということは否定できない。これをキリスト教徒が黙認することはできない、という明快な態度表明です。遅きに失したかもしれませんが、それでも黙っているより正しい。
2019.12.15 隣町珈琲で小田島隆と平川克美の対談を聞きに行きました。
新しい文芸誌を出すというので駆り出されましたが、商業誌ですら売れなくて困っているのに、大丈夫かな。でも対談はまるで寄席に行ったみたいで、実に面白かった。官僚の不倫の話とか、ヤクザはときどき殺し合いをしなきゃとか。東宝映画の全盛時代には服から靴に至るまで正しい任侠モードが厳としてあったのに、マスコミもヤクザも妙にものわかりがよくなっちゃって。こりゃ正統なき時代に異端の居心地が悪くなるのと同じ話ですわ。最近じゃヒットマンをやる「若ェもん」が何と60歳だって。あちらの世界も高齢化でたいへんそうですね。
2019.12.08 えっ?知らなかった。橋爪大三郎と大澤真幸の対談本はわたしの本がネタだって。
河出新書の『アメリカ』(2018) という本ですが、あとがきに「今回、大澤氏と二人で、森本あんり氏の『アメリカ・キリスト教史』を読んで、対談のきっかけとした」って書いてありました。「森本氏に感謝したい」ともあるけれど、感謝されたことあったかな? 橋爪氏とはときどき講演などでご一緒になります。そのネタ本が角川ソフィア文庫として新装増補改訂版になったわけです(BOOKSページ)。
2019.12.01 今年も一本のろうそくを灯しました。アドヴェント第一聖日です。
イェール大学のエドワーズセンターで、Jonathan Edwards Studies の最新版がレリースされています (Vol. 9, No. 2, 2019)。今号は、ペリー・ミラーの足跡や、エドワーズの中国への紹介状況など。わたしはエディターの一人に名を連ねていますが、登録してログインすれば、どなたでも無料で読めます。自分のエドワーズサイトは、なかなか手を入れられませんが、リンク切れをいくつか修正しました。
2019.11.25 Abema TV Prime というテレビ朝日系のニュース番組に出ました。
「ローマ教皇来日、東京ドームでミサ」というニュースの枠で、30分ほど(MEDIAページ)。カンニング竹山さんというお笑いの人がマジメに司会やコメントをしていて、他に石戸諭さんという読書家の元新聞記者、穿った発言をするドワンゴ社長の夏野剛さん、それからピンクの髪がすてきな「インフルエンサー」のはましゃかさん。次の枠は三島由紀夫のコーナーで、いつかご一緒した白井聡さんが来ておられました。それにしてもこの番組、どうやって見るんだろ。
2019.11.23 今朝の日経新聞にわたしの書評が載っています。
ローゼンハーゲン著『アメリカのニーチェ』(法政大学出版局)です(MEDIAページ)。ドイツ知識人はウェーバーもトレルチもアメリカに開眼したことが多かったけど、ニーチェまでがとは知りませんでした。「神は死んだ」という彼のトレードマークも、何とエマソンの例の神学部講演が元になっていたなんて。アメリカ人はニーチェを読む前からニーチェ主義者だったとか、マーガレット・サンガーやエマ・ゴールドマンといった先駆的フェミニストがニーチェに魅了されていたとか、刺激的な内容が満載です。使われている資料も豊富だし、訳文も知的に安心できて読みやすい。字数制限で触れられなかったけれど、サンタヤナのニーチェ批判がいちばん面白かった。
2019.11.21 『キリスト教でたどるアメリカ史』(角川ソフィア文庫)が出ました。
しばらく入手困難だった新教出版社の『アメリカ・キリスト教史』を KADOKAWA が引き取って文庫化したものです(BOOKSページ)。といっても、内容にはだいぶ手を入れました。分量にして約2割ほど増えています。画像も追加して、読者サービス満載。来年春の授業テキストに使おうと思います。何と言っても、文庫本で840円という感動的な安さ!どうぞみなさまご活用ください。
2019.11.11 ICU で GLAA (Global Liberal Arts Alliance) の会議をホストしました。
昨年3月にモロッコの会議に出席しましたが、今回はICUが開催校です。リベラルアーツを掲げる大学は最近とても多くなりましたが、その内実はそれぞれ。海外の大学連盟のメンバーシップを得て交流を続けることは、グローバル・スタンダードの維持にも役立ちます。今回はヨーロッパとアフリカからのメンバーの存在感がありました。日本では、共通英語テストの導入延期が決まったのはよかったと思いますが、大学教育の行方は今後いっそう不透明になりました。
2019.11.02 ピューリタニズム学会の関西研究会で拙著『異端の時代』の合評会。
京都大学キャンパスプラザで、ふだんは小さな会ですが、今回は20名を越える出席がありました。書評者は藤本龍児氏(帝京大学)で、分野からも関心からも、前著『アメリカ的理念の身体』を箱根の合宿で書評していただいた時から、旧知のわたしの「共犯者」です。精細かつ正確な読みと大胆な斬り込みで、実に楽しく盛り上がりました。たしかに、ふりかえってみると、あの当時からわたしは正統と異端の話をしきりにしていましたね。L正統とO正統の区別については、この夏の丸山眞男研究会で疑問が深まりました。
2019.10.28 社会思想史学会の年報に『ポピュリズム』の書評を書きました。
一昨年のシンポジウムに呼ばれて話したことを昨年の年報に書き、そこで論じた本を今年の年報に書くなんて、サイクルヒットみたいでいいのか、マッチポンプみたいで悪いのか、よくわかりません(「その他「書評」欄)。いずれにしてもこの学会では非会員なので、十分貢献したかと思います。自分側の学会の目線からすると、非会員に執筆をお願いするのはなかなか骨の折れることなので、ご苦労もよくわかります。みなさんお疲れさま。
2019.10.23 芝浦工業大学で「エンジニアリング・リベラルアーツ」研究会。
ICUのリベラルアーツ教育について話しました(LECTURESページ)。「日本工学教育協会」って、何年か前に講演した「日本工学会」とはまた別の組織みたい。芝浦工大の柘植前学長が発起人で、現在は小豆畑先生が会長、委員長は副学長の井上先生。東工大の札野先生からの依頼でしたが、第一男子寮の寮友はいいね。何でも、11人中3人が大学教員になったとか。
2019.10.17 The New Yorker の最新記事にエドワーズの全米一有名な説教が使われています。
The New Yorker (October 14, 2019) の “Sinners in the Hands of an Angry God” です。Joyce Carol Oates の記事で、ご本人による朗読も聞けます。イェール大学でのエドワーズ学会が終了し、そこで出会った人びとが交わしているメールの中に引用されていました。こんな粋な現代の雑誌にエドワーズが、しかもあのもっとも恐ろしい説教が、登場するなんて。やっぱりエドワーズは今でも usable past なのですね。
2019.10.14 「しんぶん赤旗」にトニ・モリスンの追悼記事を書きました。
先週 10/7 月曜日の掲載でしたが、海外出張で少し遅れました(MEDIAページ)。「意識下の『他者化』強く照射」という題の追悼記事ですが、「他者化」というフレーズの説明で「本紙読者のなかには、マルクスの「疎外」やブレヒトの「異化」という言葉を想起する方がそられるかもしれない」と書いたら、これは難しすぎるので削除してください、と言われました。わたしの中に「赤旗」紙の読者はみんなインテリだ、という思い込みがあったことに気づかされました。
2019.10.04 エドワーズ学会が終了。次回はハンガリーだそうです。
わたしの話は日本のエドワーズ研究を紹介するものではなくて、ハーシュマンの経済思想史からポピュリズムへの対応を考えるもの(LECTURESページ)。会議前のバイネッキ図書館での特別展示がとてもありがたかった。アメリカ史でもっとも有名な1741年の説教原稿とか。
2019.10.02 イェール大学で久しぶりのエドワーズ学会。新しい手書き書簡が大量に見つかったとか。
「イェールと国際化するエドワーズ」が主題ですが、レセプションに出てびっくり。140人も集まりました。昔は50人くらいでこじんまり楽しくやってたんだけどな。世界のエドワーズセンターのディレクターが8人全員顔を合わせたのも初めて。わたしも日本代表(とほほ)かつアジア代表で紹介されちゃった。特ダネのニュースは、ドワイト家の子孫から、エドワーズ関連の手書き書簡が大量に見つかって寄贈されたこと。エドワーズ研究もまた活気を帯びそうです。
2019.09.29 東北大学・横浜国立大学・東京海洋大学・広島大学の先生方、出版広告業にご注意ください。
Research Outreach しばらく前にも来ましたが、無視しているとまた来ます。ウェブには「これは Predatory Journal ではない」などとする記事もありますが、学術出版であるかのように見せかけて、熱心に出版をもちかけ、peer reviewもなく、かなりのお金を払ってただの広告記事になるのです。業者はイギリスの田園地帯にある小さなレンタルオフィスにスペースを借りている「メディア会社」。まともな研究者が掲載を喜んだり業績として吹聴したりするのは恥ずかしいことです。上にあげた4つの大学の方々、個人名は出しませんが、あなたがたは彼らの金儲けに加担して学術出版を貶めています。「論文数を稼ぐ」「海外の学術誌に掲載」なら、もうちっとまともなところを狙いなさい。
2019.09.19 『異端の時代』がなぜか急に売れています。
ちょっと遅れ気味ですが、よく見たら岩波の編集部が山口周さんという方のツイートを引用しています。わたしはSNSをやらないのでよくわかりませんが、巷に聞くものすごい「インフルエンサー」なのでしょうね。ありがたいことです。おかげでKindle版もよく売れています。
2019.09.11 青天白雲塾で講演と討論の一日。拙著をこんなに熱心に読んでいただけるなんて(涙)!
青天白雲塾」は、不識塾のプログラムの一つで、歴史・哲学・宗教・文明論などのリベラルアーツ的なカリキュラムを通して、企業の中核を担う世代を育成するコースです(LECTURESページ)。ものすごく中身の濃い一日でした。午前中はわたしの『異端の時代』を熟読して各グループが1章ごとに発表、そして質疑とわたしのコメント、という繰り返し。午後はわたしの講演と全体討議。各企業がより抜きのエリートを送ってくるので、読解力も質問力も討論力もみな抜群です。この人びとがわたしの学生たちだったら、と願いますが、経験も歳も違うのでそりゃ当然だよね。約半年間のプログラムに彼らを送り出す企業側のコストも大きいはず。みなさん将来の日本を担う方々ですね。
2019.09.04 また拙著が大学入試の問題に使用されました。
入試に使われると、許諾の後に過去問として入試教材本にも使われることになります。二次使用が増えていくことは、本そのものが売れるとは限らないけれど、読んでもらえるのだからやっぱりありがたいものです。使われたのは『異端の時代』のいちばんいいところ。問題作成者も拙著のキモをよく理解してくれてあります。こういう入試を受けて大学への学びを始める学生って、希望がもてるな~。
2019.08.25 今朝の日経新聞に、フライフィッシングのことでコメントを寄せました。
NIKKEI THE STYLE「こんな日曜日が待ち遠しい」という紙面(MEDIAページ)ですが、わたしも見てびっくり。上質紙でぶち抜き16ページの全面カラー写真など、もんのすごい力の入れようです。記者さんも2ヶ月くらい前から構想していましたが、記事の文章全体が、どことなく映画「リバー・ランズ・スルー・イット」の雰囲気をしっくりと出していて、極上の仕上がりになっています。やっぱりフライフィッシングには、ルアーや餌釣りなどにはない品の良さと正統性がありますね。
2019.08.24 今朝の朝日新聞の書評欄に、『他者の起源』が取り上げられています。
本文をしっかり読んで書かれたとてもよい書評で、西崎文子先生ありがとうございます(「著書ページ」参照)。この翻訳は、まず集英社の編集者が目をつけて企画したもので、訳者もわたしもその企画に駆り出された方です。モリスンの突然の逝去も重なりましたが、今になってふりかえってみると、やはり本書の価値を見いだした編集者の眼力が優れていたのだと思います。服部さん、おめでとう。それにしても、アマゾンで「人権部門」ベストセラー1位っていうけど、この部門って数が少ないのかな。
2019.08.10 『「他者」の起源』にアマゾンで ベストセラー1位 の印がついています。
トニ・モリスンが5日に亡くなったからでしょう。直前に出版できてよかった。久しぶりに ベストセラー1位 のリボンを見ました。全カテゴリーで3桁台というのは、この種の本としては例外的な売れ行きでしょう(わたしの本では、23位までなったことがあるけど!)。文芸誌なども急遽モリスンの特集を組むそうですが、わたしはとても協力できそうにありません。
2019.08.08 森達也氏による『「他者」の起源』の書評を掲載しておきます。
『青春と読書』で発売と同時に出ていたのですが(BOOKSページ「共著」セクション)、ここにご紹介するのを忘れていました。放送禁止になった岡林信康の「手紙」という歌は、はじめて知りました。YouTubeでその歌を聞きましたが、曲も詞も強く心に訴えるものがあります。本書の役割も、日本の読者がそういう発見をして周囲と橋渡しをすることなのかな。
2019.08.03 「寛容なトランプ氏」――今朝の朝日新聞にあった記事の一つです。
いえ、皮肉でも疑問符つきでもありません。北朝鮮が短距離の飛翔体の発射を繰り返しているけれど、「トランプ氏は寛容な姿勢を示し続けている」とあります。ちょっと笑えますが、ここには寛容論のとても大事なパラドックスが表現されています。さて、このキモをこれからどう料理するか。
2019.07.21 TBSテレビ「サンデーモーニング」にインタビューで出ました。
トランプ氏の差別発言と連邦議会の非難決議について(MEDIAページ)。放送枠は2時間のうちの6分だけでしたが、番組後にアップされたスタッフノート「風をよむ――嫌なら出て行けばいい?」が濃密かつ秀逸です。これだけたくさんの資料映像を使うと、きっとコピーライトも高いんだろうな。わたしのコメントは、もともとトニ・モリスンの新著に書いた序文で「他者化」の問題性に触れたのが発端です。撮影スタッフのディレクターもよく読んで理解していたのがわかってありがたかった。
2018.07.17 トニ・モリスンの『「他者」の起源:ノーベル賞作家のハーバード連続講演録』(集英社)が出ました。
「日本語版読者に向けて」を書きました(BOOKSページ「共著」セクション)。これほど難しい序文を書いたのははじめてです。モリスンの思わせぶりな短い文章には、訳者の荒このみ先生も大いに悩まされたことでしょう。深みと含みがたっぷりすぎて、どういう日本語にしてもその一部分しか出せないのです。でも、できあがった本にはそれだけ苦労した価値が十分にあります。「自分探し」に疲れている人、過去の傷に疼き続けている人、見識らぬ隣人に戸惑っている人、どうぞみなさん手にとって読んでみてください。
2019.07.12 NHKBS番組「ダークサイドミステリー」に出演しました。
ケネディ暗殺の陰謀論がテーマで、オズワルド単独犯行説か、それとも政府機関を巻き込んだ壮大な陰謀か(MEDIAページ)。そういえば、今になって思い出しましたが、収録の時はアレントの「事実というものは、もはや大衆への説得力を失ってしまった」という一節を使って3回も長台詞を言わされたけど、あの部分は結局使われなかったんだ。われわれは今になって「ポスト真実」だ「フェイクニュース」だと騒いでいるが、それはもう70年くらい前から始まっていた大衆化の帰結だ、という話だったんだけど。再放送は16日夜11:45から。
2019.07.06 丸山眞男記念比較思想研究センター(東京女子大学)で『正統と異端』の合評会。
渡辺浩先生からごていねいなお招きをいただいて参加しました(LECTURESページ)。発題後の討論がとても面白かった。L正統とO正統の併置は、もしかするとはじめから考え直すべきかもしれません。会の後で飲みながら伺った平石直昭先生のお話では、丸山と福澤の立ち位置について、自分の浅薄な理解が大きく変わる嬉しさを感じました。とはいえ、その行く末はやはり丸山や福澤とも共通して、日本の選択や民主主義についての敗北感かな。折しも参院選が始まりました。。。
2019.07.03 ようやくキスリング展(東京都庭園美術館)に行ってきました。
昔の伊勢丹の色柄のドレスを着た女性がパンフレットに載っています。先週行こうと思ったら、あいにく定休日で、今週が最後。今日は雨が少なくて庭園も回れました。花などの静物より、不思議な目をした人物たちの方がよかった。ユダヤ人で死刑判決を受けて家族を残してアメリカへ亡命って、大変な人生ですね。
2019.06.19 今年も卒論合宿をやります。卒業生でご関心のある方はご連絡ください。
場所はいつものところ。8月20-22日。昨年は檜垣先生にもお越しいただき、とても楽しくて霊妙で深い思索の時間を経験することができました。今年はどんな出会いが待っているかな。ただし現役卒論生はしっかりしごくので、覚悟して準備をして来い!
2019.06.15 久しぶりのマニラ。大学教育の危機と大統領の評判をいろいろ聞きました。
前回はいつだったか、覚えていませんでしたが、アテネオ・デ・マニラ大学の副学長はよく覚えていてくれました。ホセ・リサール記念公園は、以前来た時には中まで入れたんだけどな。新しく銅像群が建てられていて、銃殺のときには後ろ向きだったけど振り向いたとか、最前列の兵隊は5人いるけれど、当たっている弾は3発で、2人はわざと狙いを外したのだとか、熱のこもった解説つき。若い学生の愛国心は、やっぱり尊いものですね。
2019.06.11 すごいっ! 大統領並みの護衛車がついた。
アテネオ・デ・ダバオ大学のコミュニティ・サービス・プログラムを見学に行きました。ゴミ山に不法占拠?していた人々に住居と尊厳をもたらす活動で、同行した学生たちもよく説明してくれました。行き帰りの車がいやにスムースだと思ったら、な、なんと前を白バイが先導して道を空けさせ、信号を青に操作して突き進んでいるではありませんか!さすがドゥテルテ大統領のお膝元。混雑を尻目にありがたかったけど、こんな例外扱いがまかり通る国って。。。
2019.06.09 United Board の理事会でフィリピンのダバオに来ています。
United Board の理事会は、ここ数年はニューヨークのオフィスではなく、現地のスタディツアーを兼ねて開くので、アジア各地の大学事情をよく理解できるようになりました。昨年はスリランカで、タミル人とシンハラ人との抗争が激しかった地域。今年はついに和平交渉を結実させたミンダナオのムスリム地域。外務省の海外安全HPでは、「不要不急の渡航は止めてください」っていうところ。
2019.06.06 NHKBS「ダークサイドミステリー」に出演します。JFK暗殺事件がテーマです。
特にオリバー・ストーン監督の映画(1991年)以来、オズワルド単独犯行説と陰謀説とが今なお熱く議論されています。昼日中の衆人環視のもとで起きたこの暗殺が、多くの資料を残しながらなお陰謀説が収まらないのはなぜか。アメリカ史のパラノイア論と、人間が本来的にもつ「一貫した説明原理」への希求から話しました。放送はたまたま7月4日(独立記念日)の予定だと聞いて驚きましたが、これって陰謀?
2019.06.02 アメリカ学会年次大会(法政大学)が終わりました。
土曜午前中のセッション「人の移動をめぐる諸問題」は、多少無理に3つの報告を括った感じですが、それぞれ熱心な研究成果の発表でした。特にキューバ難民の扱いについては、今日のヨーロッパのポピュリズムと移民問題に重なって見え、「リベラリズムの欺瞞」という言葉が聞こえるようでした。もしかしてこれがケネディ暗殺の黒幕?午後の「人種」論もそれぞれ面白かった。会計監査のお仕事は理事・評議員会だけ。
2019.05.25 2年ぶりの不識塾出講。「トランプ再選はあるか」が受講生発表のテーマでした。
講義部分の課題図書は、拙著『反知性主義』と『異端の時代』の他に、フクヤマ『政治の衰退』とクラステフ『アフター・ヨーロッパ』です(「講演ページ」)。参加者は大手企業の執行役員・部長クラスで、午前中のプレゼンテーションは非常に手際よくまとめられており、質疑も高度な内容で驚きました。しかし、塾長と師範の要求はさらに高く、こういう厳しい姿勢で1年にわたってリベラルアーツの訓練を受けた人が日本企業の将来を担ってゆくならば、実に頼もしいことと感じられました。今後の講師のラインナップも見事です。常連の橋爪大三郎氏に加えて、英国史の長谷川貴彦氏、イスラーム思想の小杉泰氏など。
2019.05.21 昨年暮れに松山大学で行われたポピュリズムをめぐるシンポジウムの記録が出版されました。
詳細は論文ページに掲載してあります。松山大学でのシンポは、とても楽しい会でした。遠藤先生とは社会思想史学会でお会いして以来のおつきあいだし、髙山先生とはもっと前、たしかあれは日仏会館でのポルティエ先生の講演以来かな。ポピュリズム論は、その後も世界各地で進められていますが、そのうち優れた訳書一冊の書評を学会誌に書きました。
2019.05.18 『異端の時代』がまた大学入試問題に使用されました。高校生のみなさんも読んでみてね。
入試問題ではときどき著者も答えられないような変な出題がありますが、今回はよくできているように思いました。
2019.05.11 今朝の日経新聞にパットナム他著『アメリカの恩寵』の書評を書きました。
訳者は柴内康文先生、原著出版は同訳者による『われらの子ども』に先立つ2010年です(MEDIAページ)。600頁を超える大著で、厚さが何と 5cm! 出版社から送られてきた時には、こりゃ必ず書評依頼が来るな、と戦々恐々としていました(←これって「送りつけ商法」?)。内容は厚さに見合う濃さで、不寛容に見えるアメリカの宗教性が多様な社会の靱帯となり寛容性を支えている、ということがよくわかります。ただし、何でも数字が好きな人は要注意。統計は因果関係を説明しません。訳はとても親切でわかりやすいのですが、編集者の見落としで扉と奥付の著者名が Putnam ではなく Putnum と綴られています。
<追記>柴内先生のブログ「内容紹介」と「読解用リンク集」もぜひご覧ください。
2019.05.04 『IDE 現代の高等教育』に ICU の教養教育のことを書きました。
「今、教養教育とは」というテーマで(MEDIAページ「大学関係評論」)、ICU の他に東京大学、東京工業大学、国際教養大学という国公私の大学がそれぞれ取り上げられ、教養教育やリベラルアーツについて語られています。他にも、教養主義の没落を論じた竹内洋、アメリカのリベラル教育の日本への導入を論じた吉田文、これからの教育改革の3つの方向性を論じた金子元久、さらに米国の教養教育だけでなく、中国の「通識教育」やヨーロッパの教養教育復権についての報告もあり、たいへん充実した内容になっています。
2019.04.29 日経新聞に大学ランキングに関する批判的記事が掲載されています。
評価法疑問 活用は半数」という記事で、先日公表された日本私立大学連盟の加盟大学アンケート結果をめぐるものです。特に、多様な大学を一律に評価することの問題、教員や学生というもっとも基本的な数字ですら基準が曖昧だという資料データの客観性の問題、そして何より、日本でも英国でも特定一私企業が独占ビジネスとして展開しており、その企業が大学向けに高額のコンサルティング業を営むということの倫理的な問題など。
2019.04.26 大学のHPにAIについてのインタビューが掲載されています。
AIにない人間に固有なものとは」というタイトルで、人工でない人間に本来的な知って何だろう?というリベラルアーツのお話です。AIが人間の能力を超えるシンギュラリティの日がもうすぐやってくる、なんてわたしはまったく信じません。AIがどんどん進化する、ということが、まさにAIの限界なのです。だからそれは原理的な限界で、どんなに進歩しても変わりません。
2019.04.21 Happy Easter! YouTube にトランプ陣営タイホの傑作パロディ映像が載っています。
It’s Mueller Time! Trump Administration Season Ending” とってもよくできています。「ロシアより愛を込めて」の主題歌に合わせて、トランプ陣営の主要人物たち(すでに舞台を去った人々も)が次々と FBI に逮捕され、最後には大統領自身も連れ出される、というストーリー。よく見ると2017年のもので、もう150万回も視聴されています。今日の New York Times に引用されていたので、きっと再ブレークするでしょう。問題は、マラー報告書が出てもなおこれが現実になりそうにない、というあたりかな。
2019.04.13 拙著がまた大学入試問題に使われました。
『反知性主義』は長いこといろいろな入試や模試に使われてきましたが、『異端の時代』は初めてではないかと思います。前著は図像や映画の話など読者サービスをたくさん盛り込んでありますが、岩波新書の方は古代中世の教会史から現代のポピュリズムまでを扱ったので、やや硬派です。それでも「高校生が読んで理解できるものだ」と判断されたというのは、とても嬉しいことです。
2019.04.05 新入生のみなさん、入学おめでとう。科目登録でお困りですか?
GEとPEの予備登録は、本日3時で終了しています。今はできません。それ以外のFNDなどの登録は今でもできます。システム障害などは起きていませんが、登録結果の表示に時間がかかったようです。みなさんの授業登録自体に支障はないので、安心してください。
2019.03.27 御岳山に行きました。面白い写真が撮れました。何となく情けない顔したわんちゃん。
若い頃よく登った山ですが、久しぶりに出掛けてケーブルカーで上まで行きました。山頂の神社は、大和武尊(ヤマトタケル)が東征の際に狼に助けられた神事があるとかで、狼=犬が祭られているそうです。「大口真神」って狼のことですね。どうりで犬を連れている参拝客が多かった。「おいぬ」は「老いぬ」なんだそうで、わたしにも御利益があるかな。
2019.03.21 4月12日公開の映画『魂のゆくえ』のちらしが出来上がりました。
とても小さな字ですが「字幕監修」にわたしの名前が出ています(MEDIAページ)。下の3/1のニュースをご覧ください。ちなみに、「ボンヘッファー系の神学的結末」はネタバレになるので言えませんが、途中に出てくるジョークは、ルター自身が卓上談話の中で語ったことに遡る由緒正しい下ネタです。解釈にはラテン語とドイツ語の知識が必要で、映画に出てくるオッサン解釈はちょっと行き過ぎです。ま、いっか。他にも、オルガンをめぐる下ネタは爆笑間違いなし。
2019.03.15 しんぶん赤旗に新しい聖書の翻訳『聖書協会共同訳』について書きました。
依頼を受けた時には、時間がないので即座に断ろうと思いましたが、考えてみると日本共産党の正規の機関紙で、聖書の紹介をしてくれるなんて、こりゃありがたい機会だ、と思い直しました(MEDIAページ)。実はいくつかの複線もあります。父が熱心な党活動をしていたこと、大学の授業で関係者を教えたことなど。聖書は鋭い宗教批判と社会正義の書でもあるのです、と読者の方々に語りかけたかった。それにしても、「日経」と「赤旗」に2週続けて記事が出るって、何となくいい感じ ♪
2019.03.09 日経新聞に『リバタリアニズム』(渡辺靖著)の書評を書きました。
中公新書の新著です(MEDIAページ)。トランプ再選のかかる来秋には、リバタリアニズムに近い考え方をするミレニアル世代が最大の有権者層になるということなので、この本でその内容を知っておくのは有益です。著者はサバティカルの1年を最大限に活用して、あちこちを訪ねてはインタビューをしています。こんな成果が出るなら、大学も喜んで出すでしょう。ちなみに、「原保守」とはバノンやトランプのことで、リバタリアンは総じて彼らに批判的だそうです。ご本人からのメールで気がつきました。すみません。すぐ隣に書評されている『天然知能』(郡司ペギオ幸夫著)も面白そう。
2019.03.01 『魂のゆくえ』という映画の字幕監修をしました。心揺さぶられる静かで深い映画です。
魂のゆくえ』は、4月12日ロードショー開始の映画です。脚本はポール・シュレイダーで、何やら数え切れないほどの賞にノミネートされています。イーサン・ホーク演じる牧師が、息子をイラク戦争で失い、環境汚染を案ずる信徒と関わり、自分のいる古い小さな教会が実は環境汚染の元凶である巨大企業の援助を受けていることを悟る、というお話。結末は、神学的にはボンヘッファー系かな。途中に出てくる教会ジョークが秀逸でスパイスが効いています。
2019.02.23 。。。と思ったら、またまた書評が。今度は朝日新聞の読書欄です。
評者はアメリカ研究でおなじみの西崎文子先生(BOOKSページ「翻訳」セクション)。『ケイレブ』の原題にある「渡ること」(crossing)の多重な意味をよく説明するとてもありがたい書評です。訳文には触れていませんが、これだけよく読んでいただいてあることが、柴田さんの訳文がスムースで優れていたことの証左ですね。やはりアメリカの歴史や思想、ハーバード大学、植民地と先住民との関係、などに興味のある読者が多いように思います。先日1月末にあった「初期アメリカ学会」でも、平凡社の担当者が来て販売してくださり、よく売れていました。
2019.02.20 。。。と思ったら、『しんぶん赤旗』にも書評が! ありがたいことです。
尾崎俊介氏(愛知教育大学)による『ケイレブ』の書評です(BOOKSページ「翻訳」セクション)。アメリカ文学がご専門の先生らしく、ケイレブという先住民とベサイアという入植者牧師の娘とが、それぞれ時代の偏見を乗り越えて、人種や宗教や性別という「境界を越える」物語だ、という紹介です。たしかに、読後感は「切なくも爽やか」ですね。
2019.02.18 『週刊読書人』に『ケイレブ――ハーバードのネイティブ・アメリカン』の書評が掲載されました。
アメリカ研究の松原宏之先生(立教大学)によるていねいな紹介です(BOOKSページ「翻訳」セクション)。歴史のかけらをもとにした物語で、ああ、こんなこともあり得たかもしれない、と思わせるとのことです。初期アメリカの史料が各所に織り込まれており、ハーバード大学の歴史的な自己検証プロジェクトに触発されて書かれた小説でもあります。ちなみに、このちょうど裏面に『タコの心身問題』が書評されていて、こちらも面白い本。
2019.02.16 豊永郁子先生(早稲田大学)の「政治季評」が秀逸です。
朝日新聞朝刊の「規範の力強めた憲法――改憲より解釈の確立を」という記事。憲法が日本の伝統として時を経て権威を得たこと、憲法は「善き慣習」に裏付けられ、そういう秩序の形成を意図したものであること、立法者は主権者とは別であるべきで、古代ギリシアには国内に利害関係をもたない外国人が基本法を作るという知恵があったこと、ただし立法者にはことのほか高い知性が必要で(ルソー)、この点で日本の憲法は優れた専門知と実践知をもった人びとに作られた幸運をもつこと、そして9条が国連憲章に先立って平和と自衛の理念を取り入れた(篠田英朗氏)こと。わたしの「正統」論と共鳴するところが多いと感じました。
2019.02.11 『みすず』恒例の「2018年読書アンケート」で3人の方に拙著を挙げていただきました。
これもとても嬉しい報せです(BOOKSページ)。こちらは新書に限らずすべての書籍から。特にありがたいのは、理論物理学(佐藤文隆氏)・地学(永田洋氏)・音楽学(柿沼敏江氏)という分野の異なる方々に読んでいただけたこと。よく見てみると、他でも自分の専門の領域から本を挙げている人はごく少数で、やはり読書というのは shop ではない本を読むことなのですね。仕事の本は、いくら読んでも読書じゃないんだよ。
2019.02.08 本日発売の『中央公論』で「新書年間ベスト20」の9位に拙著が入りました!
とても嬉しい報せです(BOOKSページ)。入賞した本を眺めてみると、やはり「日本」関係が多いですね。このアンケートには、有識者・大学教授・新書編集部・新聞記者だけでなく、書店員の声が大きく反映されるのだそうです。過去の歴史や知恵を若い世代に読んでもらいたい、という願いが詰まったベスト20なので、そこに選ばれたのは光栄です。
2019.02.02 三浦瑠麗さんの新著『21世紀の戦争と平和』が届きました。
アマゾンではいきなりよく売れていますね。『21世紀の戦争と平和』新潮社の凄腕編集者がしばらく前から熱心に書かせようとしていた本ですが、著者の「あとがき」を読むと、それでも6年かかったというから、何かちょっと安心しました。バークレーにいたときは軍のプレゼンスがとても目立ちましたが、戦後日本の平和研究にはそこが稀薄です。この本は人権やリベラリズムのコストについても明快だし、きっとよい議論が巻き起こると思います。
2019.01.25 不識塾の企業内研修で日本たばこ産業(JT) の医療事業部に行きました。
理系の研究者たち有志が集まる研修で、年齢層も若いし女性も多く、将来への活力を感じました(LECTURESページ)。聞いてみると、修士号や博士号をもった人もいるし、海外ではプリンストンに研究所オフィスがあるとかで、わたしよりずっと最近の町の風景をご存じでした。不識庵の活動は、日本の企業人がリベラルアーツの重要性を悟り始めたことを示唆していて嬉しくなります。
2019.01.21 『週刊読書人』(1月4日号) に「売れ行き好調の一冊」として拙著が紹介されました。
著者は「岩波新書編集部」とありますが、実際にはこの本を担当してくださった堀由貴子さんです(BOOKSページ)。内容はさすがに拙著の勘所をつかんで過不足なく楽しそうに紹介してくれてあります。おかげさまで3刷が決まりました。ベストセラーよりロングセラーになってくれればいいなと思います。
2019.01.18 「新春経営者講座」で中小企業を経営する方々にお話しました。
新春経営者講座」というのは、「朝日中小企業情報センター」が行っているもので、今年で30年目だとか。450人もの熱心な聴衆でした(LECTURESページ)。昼食時に役員の方々に伺ったのは、都区内にある卸業者の激減という厳しい現実。ネット業者の興隆などで流通の経路が大きく変わり、「卸売り」という業態がはじき出されてしまうわけです。それでも、単なる「次の一手」にとどまらない大局的な形勢判断の力を養いたい、とえらく勉強熱心な経営者の方々でした。
2019.01.15 『図書新聞』に先日やった巽孝之氏との対談が出ています。
『週刊読書人』の記事とはまた違ったまとめで、紙面の1-2ページを独占。細かい字でたっぷり書いてあります(MEDIAページ)。しかも、1面なので無料で読めます! ShinbunOnline というサイトで、「専門誌一覧」から「図書新聞」を選び、右欄の「立ち読みする」というところをクリックすると出てきます。でも、ダウンロードはできないみたい。「立ち読み」なんだから当然か。
2019.01.12 Professor Nigel Biggar (Oxford University) とのシンポジウム(青山学院大学)。
テーマは”Nationalism, Historic Grievance and Reconciliation“でした。Biggar教授は、オックスフォードでもナショナリズムをめぐっていろいろと論議を巻き起こしている保守派の神学者です。わたしも神学に限定してレスポンスをいたしました(LECTURESページ)。ちなみに、IAMSCUという会議は、メソジスト系の大学の集まりだそうです。だから関西学院大学から山本俊正先生がおいでだったのですね。三鷹から関西に移られたので久しぶりにお会いしました。
2019.01.11 『日経ヴェリタス』誌に「福音派」とアメリカ経済のことを書きました。
これは昨年末の出版ですが、忘れていました(MEDIAページ)。宗教とりわけトランプ政権を支える福音派がアメリカで市場を揺さぶっていること、宗教勢力がイスラエル外交やイラン対策で地政学的なリスクに発展しかねないこと、少し前にはカウンターカルチャーの影響などで宗教が衰退するだろうと思われていたのに、アメリカではむしろ宗教への回帰が見られること、などなどの記事の中で、リベラルに対する福音派の歴史的な巻き返しが起きている、という話をしました。
2019.01.07 乙川優三郎の新著2冊を読みました。
『二十五年後の読書』と『この地上において私たちを満足させるもの』(新潮社)。以前『ロゴスの市』を読んで面白かったので、2冊を続けて読みました。文芸小説家と書評者との交流の話って、結局は作家本人の身の回りを描くことになるので、どうしても内輪の話に聞こえます。2冊は独立でありながら呼応しあっている、という新聞の書評から、何か前著にも優るとびきりの仕掛けがあるのかと期待したけれど、そんなことはなくて二つとも似たような文学論とデラシネの男女。
2019.01.03 『ケイレブ――ハーバードのネイティブ・アメリカン』(平凡社)がついに出ました。
ジェラルディン・ブルックス『ケイレブ――ハーバードのネイティブ・アメリカン』、訳者は柴田ひさ子さん(「訳書」欄を参照)。わたしはオバマ大統領が絶賛していたので読みましたが、それをこのHPに書いたのが 2013年の9月1日。それを見て柴田さんが訳し始め、5年がかりでようやく出版に至りました。わたしも初期ハーバードと先住民についての「解題」を書きました。先住民と女性という二つの立場にある魂の交流が心を揺さぶります。著者のブルックスは、あるとき「1665年にケイレブというインディアン学生がハーバードを卒業した」という記録を目にして、「1965年の間違いではないか」と思ったそうです。そしてこの本が生まれました。訳者「あとがき」にある通り、その後大統領が交代して「壁」や「分断」という言葉が聞かれるようになった今こそ、多くの人に読んでもらいたい本です。訳文も読みやすくてすばらしい。
2019.01.01 あけましておめでとうございます。産経新聞に元旦インタビュー記事が出ています。
今年もどうぞよろしくお願いします。スライドの最初は本栖湖の千円札裏の富士山です。旧年中の記事はアーカイヴに移しました。年始のご挨拶がわりに、産経新聞の元旦インタビュー「日本の針路 見据えて」をご覧ください(MEDIAページ)。『異端の時代』からの繋がりですが、グローバル時代に必要なのは英語じゃないよ国語だよ、という話をしました。