『不寛容論』が青山学院大学、『異端の時代』が立命館大学。『不寛容論』は1年前に出たので、今年が最初ですね。アメリカ大陸にわたったピューリタンが政治の制度と宗教の制度を同時に作り上げるためにどんな努力をしたかという、近代政治体制のかなり踏み込んだところを問う良問です。どなたが作成されたのか、感謝を申し上げます。『異端の時代』の方はもう何度も使われたポピュリズムの一節ですが、これもなぜ人々が容易に権威主義へと転じてしまうのか、社会の正統性が失われるとどういう危険が生じるのか、よく考えさせる問いが並んでいます。これから大学生活を始めるみなさんも、入試に備えるみなさんも、受験して合格するためだけの勉強ではない学びを経験できますように。