扱っているのは20世紀後半で、「冷戦と脱植民地化 II」という副題がついています(「共著」ページ)。わたしの担当部分は、世俗化するかに見えた20世紀後半が宗教性の横溢に戸惑い、無理解を重ねた結果がアフガン問題であり、9.11であり、21世紀の今を支配する分極構造である、という主旨。アメリカ的な無理解の出発点は1979年のイスラム革命です。そもそも国連安保理事会が最初に扱った国際紛争案件もイランだったし、冷戦構造が表面化したのもイランをめぐる対立のゆえでした。その無理解が蒔いた種を、現代世界は涙とともに刈り取っているのです。