2021.12.29 森颯季さん、今年一番かっこいい記事でした!
今朝の朝日新聞に載っていた「ひととき・私の幸せ」という小さな記事。何の話だろう、と思いつつ読むと、最後の一言で胸を衝かれます。「ごめんね、パパ。私、大切な女性がいます」これは、お父さんもきっと理解してくれる、という信頼の表現なのでしょう。久しぶりに新聞を読んで清々しい気分になりました。来年はもう少し世の中の理解も進むかな。
2021.12.23 山形の基督教独立学園高校でクリスマス礼拝。
都心での用事を終えて最終便に乗り、山形へ。翌朝7時に雪のふぶく山道を車で1時間。ほんとに深い山の中です。午前の講演も午後の懇談会も、生徒たちはとても熱心に聞いてくれました。こういう生活と学びから、いい学生が大学に送られてくるのですね。最近は、ネット検索で「全寮制」という言葉に惹かれる入学生が多いとか。クリスマス祝会は、何だか昭和な感じがいっぱいでした。ビーフシチューの牛は学校で育てたんです、って。
2021.12.18 小石川中等教育学校でPTA講演会。
なつかしい母校・・・ってほどでもありません。自分にとっては暗い虚無の時代を過ごした場所で、むしろ遠ざかっていたいくらい。中高一貫校となり、スーパーサイエンススクールだの、グローバル10校だのと、きらきら輝く優秀な生徒さんたちとその親御さんたちに、教育上ぜんっぜんよろしくない話でよかったのか、ずいぶん悩みました。でも、超進学校だからこそ、聞いてほしい言葉もあります。リベラルアーツの意味についても、だいぶ踏み込んで話しました(
「講演」ページ)。同窓会関係の方は、しばらくは公開されますのでどうぞ。
2021.12.07 人生相談の第5回が出ました。
キリスト教の結婚観について。というより離婚の是非について(
MEDIAページ)。今回は、かなり厳しい回答になりました。離婚は、教義で禁止されているからできない、なんて話じゃありません。自分自身の弱さを何か別の要因のせいにするのはよくない。
2021.11.28 月刊誌 Voice に人生相談コーナーの「投稿フォーム」ができています。
「
森本あんりさん人生相談企画」というページです。5回目の回答原稿を送ったところですが、よく考えると、こんなコーナーに人生相談をする人なんているのかな、と懐疑的になります。見も知らぬこんなオッサンに、オレの悩みのいったい何がわかるっていうんだ!
2021.11.15 クラブ関東での講話会。皇居の緑がよく見える6階でした。
従来の寛容論がなぜ面白くなかったかや、現代の移民政策の苦境について(
「講演」ページ)。クラブ関東の初代理事長は、戦後すぐの日銀総裁だった一万田尚登氏です。その一万田さんは、ICUにとっては創立期の募金と後援をしてくださったかけがえのない恩人でもあります。聴衆の中には元日銀総裁が2人もおられました。三菱のビルは新しくてとても豪華ですね。
2021.11.12 PHP 総研「文明構造の転換と日本の戦略」研究会で話しました。
何やら大きなテーマを掲げた研究会ですが(
「講演」ページ)、「政策シンクタンク」というのはそういうものなのでしょう。わたしはニーバーの「光の子と闇の子」に学びつつ、デニーンやハゾニーを参看しました。20世紀的に言えば過去のブルジョア・イデオロギー、21世紀的に言えばグローバルエリートのドクトリンとしてのリベラリズムをどう評価するかで、今後の日本や世界の進むべき方向が見えるように思います。
2021.11.03 月刊誌 Voice 4回目の人生相談。
今回の相談には、わたし自身の世代との違いを感じました(
MEDIAページ)。「モーレツ」世代と「ロスジェネ」世代の違いというか。セネカの言葉は、シュペングラー『西洋の没落』の末尾に記されたものです。これも最近では自分自身の人生に深く刻印された言葉となりました。
2021.10.19 もう一つ、『日本の神学』に拙著の長文書評が載りました。
こちらは旧友の藤本龍児さんによる学術的な書評です(
「著書」ページ)。過去にも何度か書評していただいており、いつも拙著をていねいに読んでまっすぐな批評をしてくださいます。学会員以外に書評を依頼した編集委員会には、よい人選をしていただきました。彼の新著『
ポスト・アメリカニズムの世紀』もお勧めです。
2021.10.17 中日新聞「栗原裕一郎さんの3冊の本棚」に拙著『不寛容論』が取り上げられました。
「不屈というより偏屈、そこから新しい時代の寛容が生み出される」と拙著のキモをよく捉えたよい書評です(
「著書」ページ)。体制に否を突き付けて登場した音楽が、あれよと音楽産業に組み込まれ売れ筋商品に化ける」という指摘の『反逆の神話(新版)反体制はカネになる』と、「オルタナ右翼の自意識は反体制で、権威ある体制とは朝日新聞だ」という伊藤雅亮さんの『ネット右翼の歴史社会学』が一緒に取り上げられています。どっちも面白そうな内容です。
2021.10.13 拙著『異端の時代』が旺文社の入試問題集に載ります。
ある大学の入試問題からの転用なので、これは「三次使用」ですね。ありがたいことです。高校生のみなさん、わたしの本を使ってどうぞよい勉強をしてください。でもね、大学の勉強はわたしの本より、いやどんな本より面白いよ!
2021.10.09 月刊誌 Voice 3回目の人生相談が出ました。
今回は、夢に関する相談です(
MEDIAページ)。昼間の理性的な判断と夜の夢が示す抑圧された欲求が矛盾する、というのはよくある話ですが、わたしはもう少し違う読み解き方が必要だと思いました。自分の経験と重ねて。それにしても、全国こども電話相談室とか無着成恭さんとか、懐かしいですね。
2021.10.04 青木理恵子さんを2022年のICU同窓会DAY賞候補に推薦します!
昔の野尻キャンプの仲間からメールが回ってきました。わたしも大賛成です。アオは、卒業後ずっと在日外国人の支援を続けており、2002年からは医療従事者らと設立した特定非営利活動法人
CHARM(Center for Health and Rights of Migrants)の事務局長として、困窮者と行政とをつなぐ働きを続けています。われわれ友人とICU同窓生の誇りであり、Distinguished Alumni of the Year(DAY)賞にふさわしい人です。推薦の締切は10月15日だそうなので、ご賛成の方は早めにご連絡ください。
2021.10.03 クリエイティブディレクター岡康道さんの追悼文を書きました。
高校の同窓会誌です(
MEDIAページ)。クリエイティブディレクターといっても、どんな仕事なのかよくわからなかったし、あの同級生の岡君がその道の有名人だったことも知りませんでした。今年の春だったか、小田嶋君に会った時に訃報を聞き、剣道部で一緒だった現会長の戸叶君に頼まれて書いた短い追悼文です。
2021.09.25 「半歩遅れの読書術」(日経新聞)今日が最終回でした。
今回は、どうしてもサンデルの『実力も運のうち』を取り上げたかった(
MEDIAページ)。というのも、これは「半歩遅れ」ではなく、「一歩先」の本をわたしが書いていたからです。ハーバードの有名教授を前にして何という傲慢かと言われそうだけど、論旨だけでなく、その典拠に引用した古代の神学者ペラギウスやマックス・ヴェーバーの神義論など、道具立てがみな一緒なのです。ここ数年の間に書いた本や論文ですが、わたしも英語で書いときゃよかった。
2021.09.18 「半歩遅れの読書術」(日本経済新聞)3回目です。
今回は昨年の大学院授業で取り上げたデニーンの『リベラリズムはなぜ失敗したのか』を取り上げました(
MEDIAページ)。最近は授業シラバスを次年度の冬学期まで先に提出させるので、予測がつきません。しかしこれは、もともと刊行直後にイェールの学会の帰りに買って、英語で読ませるつもりで指定しておいたら、そのうちに日本語訳が出たのです。日本人学生にはありがたい結果になりました。そういえばヌスバウムの良心論を扱ったときにも、同じことがあったな。
2021.09.11 今朝の日経新聞に「半歩遅れの読書術」2回目が出ています。
ニーバーの『アメリカ史のアイロニー』を取り上げました(
MEDIAページ)。ちょうどアフガニスタンからの米軍撤退問題が論じられていて、70年前にニーバーが語った歴史の皮肉がそのまま再現されています。
2021.09.10 月刊誌 Voice に二回目の人生相談を書きました。
今回は、かなり特殊な実存の深淵からの問いかけです(
MEDIAページ)。日本ではあまりに少数派の話なので、この雑誌で取り上げるべきかどうか迷いましたが、そこまで重い相談を単刀直入に語り出してきた人には、やはりこちらも真正面から向き合うべきだろうと思いました。
2021.09.04 今朝の日経新聞に「半歩遅れの読書術」を書きました。
8月は尊敬する上野千鶴子さんだったので、その次なんてとっても光栄でーす。わたしの第一弾は、やっぱり森有正から(
MEDIAページ)。今どきの学生はもう読まなくなりましたが、古本屋の確かな情報によると、森有正は一時期ものすごく読まれていたので、古書でも一時期どっと出回り、それで買い入れ単価が安くなっちゃったんだって。とほほ。まあ誰しも時代の子ですからね。
2021.09.03 昨晩のNHK-BS番組「ダークサイドミステリー」に出ました。
ちょうど秋学期の登録日だったから、学生たちには「見てね」と伝えたのだけれど、結局自分は忘れていて、最後の5分しか見られませんでした(
MEDIAページ)。収録したのは6月だったから、もう何を離したのか覚えていません。番組のプロデューサーというのは、話す人の言葉や映像を上手に切り貼りして、とてもわかりやすいストーリーに仕上がっています。怪しい解説者も出てくるし、何だか「陰謀論」をテーマにしたこの番組そのものが陰謀論の典型になっていて、とってもいい感じでした。面白い。
2021.08.14 毎日新聞夕刊に長めのインタビュー記事「特集ワイド」が載りました。
8月11日の「寛容とは――苦手な相手に礼節を」です(
MEDIAページ)。少し前に研究室で話したもので、写真の背景に『カール・バルト著作集』と朝井リョウさんの『正欲』が写っています。『不寛容論』を読んだ毎日の記者が尋ねてきて話したものですが、難しい内容なのによくまとまっています。わたしはもう少し現代保守主義の移民制限論と17世紀ピューリタンの関連を話したかったけど、それは拙著をお読みいただくしかありませんね。
2021.08.10 PHPの月刊誌 Voiceで人生相談が始まりました。
「人生の道しるべ――あなたの悩みに答えます」(
MEDIAページ)。第一回は、「業務マニュアルがない」という職場からのハッピーな相談で、宗教学的に言うと伝承が口伝から書き物になってゆくプロセスの話です。こんな人生相談コーナーに、いったいどういう相談が寄せられるのかな、わたしがお答えできるようなことがあるのかな、と訝しみつつ、第二回を恐れ戦きつつ待っています。
2021.08.06 【俺はググらない】のオンライン版が公開されました。
「地獄に行くこどもはいない」というタイトルで、「天国と地獄は本当にあるの」というリーフさん(小学2年生)の相談に答えたものです。紙面では十分に答えられないので、今回もオンライン新聞に全文を掲載してもらいました。宇多田ヒカルさんには、そういうテーマを歌った曲があるのかな。ちょっと羨ましくなって編集者に尋ねたら、直接お会いしたんじゃなくて書面によるインタビューだって。やっぱりそうか。
2021.08.03 『ザリガニの鳴くところ』を読みました。読後感がとてもよい物語。
登場人物の描写に自然な厚みがあって、背景に史実があるかと思えるくらい。全編を通して醸し出される深い悲しみや喪失感が読者を優しい心にしてくれます。推理小説じゃないし、ネイチャー・ライティングでもないし、生物環境保全の話でもありません。孤独と信頼と愛の話かな。「ホワイト・トラッシュ」という見方がトランプの登場よりずっと昔からアメリカ文化に染みついていたこともわかります。訳業も優れています。ちょっと『ケイレブ』や『エデュケーション』を思い出しました。
2021.08.01 読売KODOMO新聞に天国と地獄について書きました。
「天国と地獄って本当にあるの?」、読売KODOMO新聞「みんなの質問箱――俺はググらない」です(
MEDIAページ)。前回は壇蜜さんと一緒でしたが、今回は何と宇多田ヒカルさんとご一緒!書いた内容より、そっちの方が嬉しい!
2021.07.30 朝井リョウさんが拙著『不寛容論』について書いてくれました。
集英社の「よみタイ」というサイトで、「
直木賞作家・朝井リョウさんが、しんどさに襲われた時『ちいかわ』と『不寛容論』を読む理由」という題がつけられています。朝井さんの最新作『正欲』は、わたしも5月に読みました。拙著のことは、「自分の迷いやブレが非常に陳腐で類型的なものに感じられ、どこか安心する・・・患部にそっと手のひらを当ててくれ、その後背中まで押してくれる」と評してくれています。人気作家の言葉で、読んでいただけただけでもありがたい。
2021.07.12 日本倶楽部で講演。前回は5年前で、これが2度目です。
前回はトランプ大統領出現の話で大いに盛り上がりましたが、幹事さんたちがその時のことをよく覚えておられるのには驚きました(
「講演」ページ)。日本倶楽部は、渋沢栄一、徳川家達、近衛文麿ら文化人が設立した長い歴史ある団体です。政官界法曹界ご出身の方が多く、現在の会長は元最高裁判事の井嶋一友さんです。その後に実業界の方が中心になって作られたのが、日本工業倶楽部だとか。
2021.07.10 ぎょぎょっ。PHP の Web VOICE にこんな企画と写真が。。。
「
人生相談企画」とは聞いていましたが、こんな募集画面になっているとは知りませんでした。恥ずかしい。よく朝日新聞の日曜版に載っている上野千鶴子先生の相談回答は、いつ読んでもブリリアントでチャーミングですが、いったいこんなおっさんに誰が何を相談するのでしょう。
2021.07.03 カトリック真生会館での土曜講座。
真生会館でお話しするのは、2度目になりました(
「講演」ページ)。アメリカの自己理解をキリスト教の伝統から問い直すのが目的ですが、やはり底辺にある問題意識はトランプ支持の背景を探ることです。最近アメリカの著者たちが書くことがここ数年わたしが書き続けてきたことをなぞっているように思います。もちろんわたしの日本語文献を読んでいるわけではないので、あれをみんな英語で出しておいたらな、と思いました。
2021.06.24 大谷直人、池上政幸、小池裕、木沢克之、菅野博之、山口厚、戸倉三郎、深山卓也、林道晴、岡村和美、長嶺安政の各裁判官へ。
あなたがたは、国民の負託を放擲しています。最高裁判所は、国会や選挙や多数決では守れない少数者の人権を守る最後の砦です。定数是正問題からして無作為が続くことが明らかな立法府に、またしても問題を丸投げしたのでは、独立した司法の存在意義はありません。"One's right to life, liberty, and property, to free speech, a free press, freedom of worship and assembly, and other fundamental rights may not be submitted to vote; they depend on the outcome of no elections." Justice Robert H. Jackson (1943)
2021.06.22 東工大「研究・イノベーション学会」で『不寛容論』について話しました。
「国際問題分科会」という名称ですが、「研究・イノベーション学会」と冠がついていて、技術工学系、特に経営工学のご専門の方々が主な出席者でした(
「講演」ページ)。すでに本職をご退任の方が多く、中世哲学の人間論やトランプ主義の移民政策など、話題が届かなかったかも。夕方の講演と質疑の後にあった「懇談」は、zoom でそれぞれ飲み物とつまみをスクリーンの前に持参するスタイルで、初対面の方々とそういう時間をもったのははじめてでした。
2021.06.17 「陰謀論」でNHKダークサイドミステリーの収録。
今回は「陰謀論大国アメリカの250年」というタイトルで、北海道の辻隆太郎先生とご一緒でした。前回は「ケネディ暗殺事件」でしたが、もう2年前でした。スタジオはアクリル板で独房のように仕切られた3つの箱の中に入ります。いろいろ用意したけれど、結局は流れで言えないことが多かった。今回は栗山千明さんの「黒クリ」がとっても面白くてそちらに引き込まれましたが、やはりNHKとしては清く正しく「白クリ」で結論を出すことになりました。放送は9月9日だとか。
2021.06.12 雑誌『ひらく』に宣誓と詐欺をめぐるアメリカ的伝統について書きました。
植民地時代のアメリカで最初に印刷された宣誓がテーマです(
「論文」ページ)。わたしの『不寛容論』を下敷きに書いたもので、こういう話は日本国内ではまったく聞きません。佐伯啓思先生が監修するこの雑誌、毎号の内容がとても濃いのですが、今回は「アメリカとは何か」というテーマです。しかもフィーチャーされているのがラッセル・カークで信仰復興運動でサミュエル・フランシスで建国期と奴隷制の再検討となると、これはかなり刺激的なラインナップで新しい波を予想させます。
2021.06.04 先週「初期アメリカ学会」で講演をしました。
何だか更新が滞っておりますが、先週の土曜日は久しぶりの初期アメリカ学会で、『不寛容論』を題材にお話ししました(
「講演」ページ)。自分の学会でいちばん親しい友人たちの輪なので、講演だけでなく質疑の時間もとても楽しい会でした。
2021.05.22 「修学院フォーラム」で講演をしました。またzoomだけど。
日本クリスチャン・アカデミー関西セミナーハウス主宰の講演会です(
「講演」ページ)。会場に来ている方もおられましたが、オンラインで参加されたのも基本的に関西の方だというのは、当然なのか不思議なのか。講演が80分くらいで、質疑が50分。わたしの本を読んでいる方で内容に立ち入った鋭い質問が多く、セミナーの質の高さがうかがえました。旧知の参加者も何人かいて、オンラインでなければこれから一杯行きましょう、となるのだろうけれど、やっぱりちょっと物寂しいですね。
2021.05.10 朝井リョウ『正欲』を読みました。
気遣いの編集者が元気づけに送ってくれたものです。わたしの『不寛容論』と通ずるものがあるとか。なるほど、学園もののライトノベル作家かと思っていたら、ぜんぜん違いました。世界の表と裏の両方を借り物でなく自分の文章で表現できる人です。お手軽な多様性礼賛の正義論に辟易しているところも、実に共感できます。大学って、特にリベラルな大学って、ホントときどき腹が立ってきます。
2021.05.03 藤本龍児さんの新著に帯文を書きました。
『
ポスト・アメリカニズムの世紀』(筑摩書房)です。「新たに魔術化する現代世界は、宗教なしに理解できない」としましたが、隣には佐伯啓思先生の「宗教大国アメリカはどこへゆくのか? 現代文明の核心に切りこむ必読書」という一言があり、佐伯先生のこの言葉だけでもう十分この本を読む価値がわかります。ハイデガーは、ウェーバーと逆に、現代が技術という魔術に支配されるようになったことを論じましたが、この結びつきは宗教学的にはごく自然に見えます。
2021.04.22 『mal"』の第2号が出ました。平川克美さん主宰の「隣町珈琲」の本です。
一年ぶりで、どうなるかなーと思っていたら出ましたね(
MEDIAページ)。到着した新刊を開いてみると、何かいろんな人がいろんな思いの詰まった文章を寄せています。おそらくみなどこか「はみ出し者」感をもって寄稿しているのでしょうが、わたしは何だかその集まりからも「はみ出している」感じがします。人はみな結局、居心地の悪いホームレスとしてこの世を生き、やがて帰るべきホームをどこかに夢見ているわけです。
2021.04.10 『中央公論』に陰謀論の対談が載りました。
魔女裁判、赤狩り、Qアノンなどの系譜をたどった「陰謀論大国アメリカはどこへ行くのか」で、渡辺靖先生との対談です(
MEDIAページ)。世界の不条理を何とかして納得しようとするのは、人間理性の能力の一部だけれど、終末論に縁取られたキリスト教の基本的な世界理解と、アメリカに固有の近代合理主義が合わさると、陰謀論の温床ができあがってしまう、という話。ウェブ(
中央公論.jp←ページの下の方に編集長のコメントが載っています)や Yahoo News でも前半が読めます。
2021.04.01 『週刊新潮』に不寛容論の特別寄稿記事を書きました。いえ、エイプリルフールじゃなくて。
本日発売です(MEDIAページ)。←っていうコマーシャルの言葉を覚えているのは、わたしくらいの年配の人ですね。吊り広告を見ると、世間を騒がせているゴシップネタがいろいろ。それでも、オリンピック×女性差別の話が目立ちます。おりしも「男女格差報告」が発表されたというニュース。なお、「デイリー新潮」でも全文が読めます。
2021.03.29 先日「トランピズムの行方」として書いた文章が英訳されて公開されました。
nippon.com というウェブ媒体です(
「論文」ページ)。「民主社会の正統性を支える軍の意義を理解しなかったトランプ氏」が "Trump's Fatal Blind Spot: The Military in US Society" (The Future of Trumpism in America) になっています。見事な訳文で、原文になかった固有名詞などはすべて明記されているし、わたしがうろ覚えで書いた映画もきちんと確認の上、より正確な描写になっています。これなら読んでもらえると思います。優れた訳業に感謝。
2021.03.15 北海道新聞に島薗進氏の書評が掲載されました。
政教分離と寛容論が、従来は「神から人への秩序原理の移行」という世俗化として理解されてきたが、これはむしろ「信仰に基づく寛容思想」の提示だ、とはっきり論点を射貫いています。さすが宗教学の泰斗です。「道新」(北海道新聞)ってやっぱり質が高いですね(
「著書」ページ)。
2021.03.14 NHKラジオ「著者からの手紙」が放送されました。
。。。って自分は聞き逃してしまったので、後でウェブで聞きました(
「著書」ページ)。たしか『反知性主義』のときも取り上げていただきました。6年前ですね。おかげさまで、アマゾンに久しぶりに
ベストセラー1位 (倫理学)の印がついています。わたしが見た時の順位は106位でしたが、その後在庫切れになりました。その余波で、わたしの別の本(アメリカ・キリスト教史)にも
ベストセラー1位 (アメリカ史)の印がついています。でもこちらは、順位は2,000番台でした。カテゴリーによってずいぶん違うのですね。
2021.03.13 毎日新聞に拙著の短評が掲載されました。
これもよく内容を捉えた書評で、短い字数の中に拙著の大事な主張をきちんと紹介してくれてあります(
「著書」ページ)。先住民に対するウィリアムズの真摯な態度も、寛容論の源流が中世カトリックにあることも、そして自分の正義を振りかざす人びとやヘイトスピーチ、多神教で寛容とされる日本の死刑制度などにも触れるなど、わたしならとてもできないような離れ業です。これで、主要紙すべてに書評が掲載されたことになります。
2021.03.12 『週刊読書人』に井上弘貴先生の拙著書評が掲載されています。
これまたいい書評です(
「著書」ページ)。ウィリアムズの貢献と突飛さをしっかりと紹介し、クエーカー批判にも礼節という、最後の最後まで読んでいただいてあります。その上で、人間の不器用さを通してしか寛容が実現できないなんて、いかにも玄人の保守思想ですね。ちょうど『アメリカ保守主義の思想史』を読み了えたばかりでした。現代アメリカのペイリオコンの主張がわたしの本に出てくる植民地時代の契約思想とよくつながっていたり、それが「移民の国」でなく「植民者の国」だという主張になったり、いろいろよく理解できてしまう「怖い本」です。
2021.03.11 nippon.com にトランプ氏とアメリカ軍との関係を書きました。
「トランピズムの行方」というシリーズの一端で、わたしの他にも何人か執筆するようです(
「論文」ページ)。わたしはトランプ氏の大統領就任以前に書いた記事のその後を追いましたが、やはり就任後も彼はアメリカ軍が民主社会の正統性を外から守る象徴的な役割をもっていることを理解していないように思います。
2021.03.09 『週刊ポスト』で呉智英さんが拙著に触れて論じておられます。
呉智英さんて、あまり読んだことはありませんでしたが、腹の据わった鋭い知性の論客なのですね。森喜朗会長の辞任について、わたしの本とわたしの産経新聞記事に触れてありました。前著の反知性主義にも触れてくださってあり、とてもありがたいコメントです。週刊新潮のその記事、たまたま読んでみたら、寛容の強制というパラドックスが出ていて、その元ネタがわたしの本だったというのは、光栄です。それにしても、『週刊新潮』に書いたことを『週刊ポスト』で紹介するって、そういうものなのかな。
2021.03.05 ICU同窓会のインタビューを受けました。
「
今を輝く同窓生たち」の第73回です。同窓会会長の齋藤顕一さんと、TVアナウンサーの渡辺真理さん。それに真理さんのご夫君も同席されました。でも、何だかこうしてまとめてもらうと、とっっっっても長いインタビューになってしまいました。文字起こしをしてくださったボランティアの○○さん、ありがとう。なお、ICU facebook の「教員の書籍紹介」にも拙著が出ています。同窓会もフェイスブックやってたんだ。。。
2021.03.02 五木寛之さんが日刊ゲンダイに拙著のことを書いておられます。
「流されゆく日々」という長寿コラムで、「
寛容と否定の狭間に」という題がついています(
「著書」ページ)。しかも、一回だけじゃなくて「この項つづく」とあります。五木寛之さんとは、『中央公論』で2年前に対談をしました。拙著『異端の時代』をお読みいただいての対談でしたが、今回も『不寛容論』を読みつつ、産経新聞にわたしが寄稿した森元会長の辞任問題から、本音と建前という日本的な区別を論じておられます。次回のコラムが楽しみです。
2021.03.01 日経ビジネスに小田嶋隆氏との対談が載りました。
天下御免の辛口コラムニストのパワー炸裂です(
MEDIAページ)。「
『不寛容論』に学ぶ、不寛容な隣人への振る舞い方」(前編)。「
『寛容』とは優しさではない。外部を取り込むための方便だ」(後編)。読書ノートまで取って読んでくれた小田嶋さん。こういう話になると、ほんとにぶっ飛んだロジャー・ウィリアムズという人物が「やらかしている」感じが出ていいですね。編集者の山中さんも加わって、異教徒と異端者の違いが二人にぴったりの話でした。ところが、何とちょうどアマゾンの在庫が払底しているみたいで、妙な値段のついた中古が出ています。とほほ。
2021.02.27 nippon.com に優れた新刊紹介が掲載されました。
著者は石井雅仁氏で、同財団の編集者をしておられます。短い文章の中で、わたし自身と拙著を適切に紹介してあり、ロジャー・ウィリアムズの貢献なども過不足なく明快に説明してあります(
「著書」ページ)。実はわたしの少し後に卒業した方で、在学時代はタイのワークキャンプにも参加されたとか。卒業生がさまざまな場所で活躍しているのを知るのは嬉しいことです。
2021.02.26 産経ニュースのトップに拙稿が掲載されています。
「森喜朗会長辞任劇にみる日本人の不寛容論」(
MEDIAページ)。ニュースのトップは「編成見出し」というのだそうで、これはわたしではなく編集長がつけたものです。わたしの最近著『不寛容論』でこのニュースを読み解くとどうなるか、という依頼記事です。有料記事ですが、同じものが日曜の産経新聞紙面に掲載されますので、内容についてはそちらをご覧ください。
2021.02.20 今朝の朝日新聞に『不寛容論』のとてもよい書評が載りました。
書評者は、日本中世史がご専門の呉座勇一先生です(
「著書」ページ)。書評者は、それぞれ自分の関心を重ね合わせながら読むものなので、呉座先生もおそらく日本の中世史からいろいろとコメントしたいことがたくさんあったはずですが、この書評では拙著の内容を正確に紹介し、そのキモをはっきりと示して言い切っています。特に、自国の新大陸征服事業を批判する宣教師がいたことなど、他の書評では触れられていないところまで触れてあります。最後は、右派にもリベラルにもお薦めだ、とあるので、これで売れなかったら著者が悪いということです。
2021.02.18 Rush Linbaugh が亡くなったというニュース。
70歳。肺がんだったそうです。長い間彼のラジオ番組を聴きましたが、日本ではあまり知られていないかもしれません。過激で戦闘的な保守派の論客で、トランプ氏を大統領に押し上げた人物の一人です。そのおかげで、昨年は弾劾裁判が進行中だったトランプ氏から、文民最高位の自由勲章を受けています。同窓会の真理さんに "The Loudest Voice" をいただいて観たばかりだったので、その姿が Roger Ailes と重なって見えました。
2021.02.16 今年の卒論発表会は今日です。
「日米における幸福観の分析」「日米のカルト宗教事件報道の寛容度」「なぜ貧しい人を助けなければならないのか」「Exploring the socially constructed concept of "race" in the United States」告知が当日になってしまいました。そういえば去年は他大学からの突然の参加者もいたけれど、今年はコロナ感染防止で飛び入りはいないでしょう。
2021.02.08 今日は Kirishin(キリスト新聞)に書評が載りました。
ロジャー・ウィリアムズの生涯とはたらきに絞った筋が明快です(
「著書」ページ)。チャールズ2世の特許状は、1633年じゃなくて1663年だけど、まあそんなことはともかく、わたしの書きたかったことがよく伝わっていて、とてもよい紹介になっています。書評者さんありがとう!
2021.02.04 「ニー仏」さんという仏教学者が note に拙著のすばらしい書評を書いています。
「ニー仏」というのは、『仏教思想のゼロポイント』の著者でもある魚川祐司さんです。全文を読むには料金がかかりますが、無料部分を読むだけでも抜群に面白い(「著書」ページ)。ロジャー・ウィリアムズのことを「愛すべきロジハラ偏屈おじさん」とか、「レスバ」とかネット専門用語が難しいけれど、ともかくご自分の言いたいことをぼんぼん言いながら、それらがわたしの本の要点をしっかりカバーして紹介する文章になっています。良心と良知の区別など、かなり深いところまで触れていますが、もともと末木文美士先生のもとで初期仏教を学ばれた方のようで、哲学的な知識が深いのも当然か。それにしても、こういう方に mutatis mutandis で伝わるなら、わたしが書いたことにも意味があるかな、と思える嬉しい書評です。
2021.02.02 『正論』に桑原聡氏による書評が掲載されました。
桑原さんは、同誌の元編集長だとか(
「著書」ページ)。拙著の内容をよく捉えて歯切れ良く紹介してあり、ありがたいことです。ネット上の意見は、不用意に読者の怒りを買わないよう配慮する必要がありますが、誰も傷つけないようにと八方美人的なコメントばかりが繰り返されると、結局は公共の言論空間が痩せ細ることになってしまいます。違いを認めつつ、礼節を尽くして、静かに聞き合う時間が広がってほしい。
2021.02.01 「東洋経済 Plus」に拙著のインタビュー記事が載りました。
筒井幹雄さんというベテランの編集記者によるインタビューです(
「著書」ページ)。写真は梅谷秀司さんによるもので、かつて大物自民党政治家の選挙ポスター写真を撮った人だそうです。『東洋経済』は印刷媒体とウェブ記事とがありますが、週刊誌の方は実物以上によい写りになっています。ありがたいことです。
2021.01.31 産経新聞に与那覇潤氏によるとてもよい書評が載りました。
「トランプ後の共生作法」という題がついています。紙面だけでなくウェブでも全文が読めますので、どうぞ覗いてみてください(「著書」ページ)。新型コロナ禍で、日本の大学教員が政府の自粛要請にいとも従順に従っている、という足元の観察から始まり、単なる「信念の欠如」の寛容が容易に「非国民め」という不寛容な糾弾へと転化する可能性を示唆しています。ロジャー・ウィリアムズという偏屈なピューリタンが、みずからも悩み悩まされつつ寛容を実践したこと、リベラルの理想郷はあらかじめ選別済みの「好ましい他者」だけで出来上がっていることなど、実に与那覇潤さんらしい切り口でありがたい。最近出て小林秀雄賞を受賞した与那覇さんの対談集『心を病んだらいけないの?』(実は同じ編集者)には、日本では対話というと「俺もお前も同じ人間。平場で語り合えばわかりあえるはず」という同調圧力がかかるけれど、同じであることを前提にするのではなく、むしろお互いが決定的に異なることを前提にするから対話する意味がある、とあります。これは、書かれるべくして書かれた書評です。
2021.01.30 日本経済新聞にも拙著の書評が載りました。
「『建前』崩れた米国 建国から分析」という題で、拙著の内容よりも現代のトランプ前大統領や選挙不正言説などとの連関を説明してくれています(
「著書」ページ)。
2021.01.27 HONZ という書評専門のサイトに、拙著が紹介されています。
次々にすばらしい書評が出ます(
「著書」ページ)。わたしの本よりも、書評の方が優れているのではないかと思います。今回の横手大輔さんは、50万部超えの『ケーキの切れない非行少年たち』を担当した辣腕編集者だそうで、「どんな分野でも、すでにあるストックを「カチッ」と上手く組み合わせて新たな価値を創出している人の話が好み」とあり、わたしが伝えたかったことをきっちり受け止めて紹介してあります。神学論争などという一般受けしないコンテンツだけど、「時代の問題意識にぴったりとシンクロしている」なんて、嬉しいですね。「日本人の寛容」については論争的な事実に触れているし、ルネサンス的な人間万歳思想はお堅い宗教よりもかえって不寛容だ、というところなどは、よほど丹念に拙著を読まないと拾ってもらえません。
HONZ というこのサイトは、成毛眞さんが主宰している厳選リストで、玄人の視点が光ります。取り上げていただいたのは実に光栄なことです。よしっ、50万部だ!
2021.01.25 読売新聞に拙著『不寛容論』の優れた書評が掲載されました。
ベテラン編集記者の小林祐基さんによるものです(
「著書」ページ)。この書評は、単にわたしの本の内容をトレースして紹介しているのではなく、展開された議論をいったんすべてご自分の中に取り込み、その上で論旨を再構成してあり、書評としてはもっとも優れたタイプの内容です。起承転結もきっちりとつけられており、日本人読者に向けたポジティブなメッセージも明快です。写真も最近のわたしをありのままに写し取っていて、ありがたい。まあ見た目に文句は言えないけど。
2021.01.24 タラ・ウェストーバー『エデュケーション』の書評が地方各紙に載りました。
共同通信への配信なので、あちこちの紙面に載ります(
MEDIAページ)。いただいた「南日本新聞」だけ掲載しておきました。政府を悪の権化と信ずるモルモン教系の宗教集団は、今でもアメリカ西部には少なくありません。その一つを訪ずれた時の戦慄を思い起こしましたが、この本はそういう家庭から出て大学教育を受け、ついにケンブリッジ大学の博士号まで取得した勇気ある女性の独立の物語です。読むのもつらいような環境でも、自分と世界を変える力を得ることができる、という希望をもらえます。
2021.01.21 講談社の「現代ビジネス」に記事を書きました。
「トランプ時代終焉・コロナ感染爆発――多くの人が知らない『不寛容』の正体」という題で、拙著『不寛容論』のおおまかな紹介をしています(
MEDIAページ)。あちこちに出てきて、紹介するのを忘れてました。。。
2021.01.16 今朝の日本経済新聞に「トランプ後の米国を占う、分断の行き着く先に懸念」を書きました。
「今を読み解く」という文化欄の記事です(
MEDIAページ)。連邦議会占拠事件に一言も触れていないのは、年末に原稿を書き上げて出してあったからです。直前に手を加えることも考えましたが、字数が限られていて全体の構成が崩れてしまうので、何もできませんでした。小手先で論じるにはあまりに大きな出来事です。わたしが扱ったのは、テミン『
なぜ中間層は没落したのか』、フクヤマ『
アイデンティティ』、フリードマン『
アメリカ大分断』など。日経新聞なので、経済寄りの選択ですが、それでもどこかに大きな歴史観がないと、ただのつまらない本になってしまいます。
2021.01.14 「公益法人たばこ総合研究センター」の雑誌に「寛容の鍛錬」について書きました。
「公益法人たばこ総合研究センター」の発行する
TASC Monthly という雑誌の「TASC サロン」という欄です(
MEDIAページ)。拙著『不寛容論』の内容を一部紹介しています。「ある少年の告白」(2018年)という映画と、オーストリアのラグビーのフォラウ選手についてのコメントが含まれています。
2021.01.08 前回のエントリの日附を見てください。あの驚愕の事件の前日に書いたものです。
アメリカの民主主義の中枢があのように攻撃されたことに、しかもそれが現職の大統領によってなされたことに、全世界が衝撃を受けました。自分が書いたことが次々と事実になってゆくのを見るのは、けっして喜ばしいことではありません。あとは副大統領のペンス氏が、どれだけ腹を決めて行動するかです。州兵の動員も、副大統領の要請を受けて軍が決定したことです。さて。
2021.01.05 かつてアメリカ合衆国という民主主義国がありました。
今はありません。経済はごく少数の寡頭制支配になり、しかも昔の貴族と違ってその人々は自分の利益だけを追求して「高貴なる者の義務」を果たすつもりがない。いえ、わたしではなくピーター・テミンの診断です。大統領は選挙結果を操作しろと州の選挙管理人を脅し、それが犯罪として立件もされず、多くの上院議員も選挙結果を認めない。今や軍が民主主義の正統性を守る砦です。残念ながら、4年前にわたしが書いた通りになりました。さて、日本はどうでしょうか。
2021.01.01 あけましておめでとうございます。
昨年の記録は
アーカイヴに移しました。わたしの歳になると、一年があっという間に過ぎてゆきます。よく考えてみると、10歳の子どもにとって1年は自分の人生の10分の1だけれど、わたしにとってはもう64分の1なので、それもそうかな、と納得します。昨年の今日、新しい1年があのような展開を見せて終わることを予想できた人は、世界に一人もいなかったと思います。2021年がどのような年になるかは、誰にもわかりません。人間の限界を超越するものは何でしょうか。