いかにも思わせぶりな宣伝に惹かれて観に行きましたが、離脱州との内戦という巨大な政治システムの仮構は何もなく、ただ大統領が殺されて終わるだけ。アメリカ研究や政治思想史の観点からは、まったく見る価値がありません。今次の大統領選とも何の関係もありません。ホワイトハウスなら緊急避難バンカーもあるだろうし、カリフォルニアとテキサスとフロリダって、どういう政治地図だ? 要するにこれは若い女性記者のロードムービーで、しかもロードムービーなら成長があるはずなのに、この記者はただ現実追認を心得るだけ。結局アジア人は殺され役だし。上映はどこも一日一回のみで、週末なのにガラ空きでした。それでも観に行こうという人には、耳栓をお勧めします。銃声や爆発音がひたすら大きくて耳に悪い。空疎な内容をカバーするただのこけおどしです。劇場の音響設備が進化して悪くなりました。