カンヌ国際映画祭で女優賞を受けた話題作『急に具合が悪くなる』の原作を書いた磯野真穂さんのご本ですが、本自体の内容が豊かでその話にはまったく触れられませんでした(「メディア」ページ「雑誌」セクション)。自分の体験に重なるところがあると、本の引きは急激に強くなります。孫世代の教育でイライラする経験は、文化人類学で言うと二つのコードのぶつかり合いらしい。いちばん興味を惹かれたのは、清浄と汚穢という宗教学的な概念が身体論には拒食症として、国家論には移民拒否として表れる、というところ。聖書のKoineもVulgataも、実は同じ範疇です。