アメリカ社会基礎論 (0831012)

後期課程地域文化研究学科アメリカ地域文化研究
夏学期(金)IV 14:40-16:10
担当教員 森本 あんり

授業の目標・概要(Course Objectives)

アメリカには「巡礼父祖」と「建国父祖」とによる二種類の建国物語がある。最初のは明確な宗教的理念の実現を目指して新天地の開拓に生命を賭した人々の物語であり、二つめのは史上はじめて明確な政教分離の理念を掲げて連邦共和国の独立を果たした人々の物語である。だが、いったいこの二つはどのように結びつくのか。なぜ宗教の熱心が宗教なしの世俗国家を生んだのか。これが、今回の主題である。取り上げるのはランバートの近著であるが、著者はアメリカ宗教史の定説を覆す批判的な視点ですでに定評がある。本書も斬新ながら突飛ではなく、問題設定が明確で読みやすい。今日のアメリカ国家を規定している基本的な構造がどのようにして成立したのかを、ていねいに検証したい。

授業のキーワード (Keywords): アメリカ、キリスト教、建国父祖、独立革命、政教分離

授業計画(Schedule)

はじめに導入の講義をしたあと、一章ずつ読み進めて全10章を終える予定。毎週の担当を決めて学生に発表をしてもらう。単に何が書いてあるかを紹介するのではなく、それがもつ意味を説明できるように準備すること。

教科書 (Required Textbook)

Frank Lambert, The Founding Fathers and the Place of Religion in America (Princeton University Press, 2003) \2,940- at Amazon.co.jp; $21.55- at Amazon.com

参考書 (Reference Books)

成績評価方法 (Method of Evaluation)

課題図書の読解とそれをもとにした質疑や討論に最重点を置く。期末には、授業の進行を見極めた上でレポートを課すが、これは授業で実際に学んだことの確認をする程度にとどめたい。したがって、成績評価は毎週の授業によるところが大きい。配分は、自分の担当部分の発表が4割、担当以外の授業への貢献が4割、期末レポートが2割。

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