HRe106J 神学概論 II Winter 2001-02
主題:「宗教間の対話の可能性を求めて」
宗教とは自己の信仰の対象が絶対であると信ずることである。とすると、他宗教との対話は原理的に不可能ではないか。諸宗教は結局は一つだとする理解、あるいは日本は多神教だから寛容だという理解は、妥当なものか。そもそも、異なる宗教やイデオロギー間の対話を可能にし、寛容を成立させる根拠はどこに見いだされるか。
12/12 (海外出張のため休講。助手にシラバスを配ってもらいます。課題図書に目を通
して自分がどの章の発題をしたいか決めておくこと。次週に分担を決めます。)
12/19 授業の概要説明、文献の紹介
1/9 3章「インド的多元主義から」M.M.トーマス
1/16 4章「多元主義を越えて」カブ
1/23 5章「多元主義と真理主張」パネンベルク
1/30 6章「市場社会の宗教」ニュービギン
2/6 7章「多元主義は宗教間対話に有効か」モルトマン
2/13 8章「仏教とキリスト教の唯一性擁護」グリフィス
2/20 10章「マクドナルドハンバーガーと言語の政治学」スリン・総括
教科書(購入すること)
・デコスタ『キリスト教は他宗教をどう考えるか』(教文館)\3,500-
参考文献
・ヒック・ニッター編『キリスト教の絶対性を超えて』(春秋社)
・星川啓慈他『神々の和解』(春秋社)
・メンダス『寛容と自由主義の限界』(ナカニシヤ出版)
・メンシング『宗教における寛容と真理』(理想社)
・ロック「寛容についての書簡」(中央公論社『世界の名著』32)
・ヴォルテール『寛容論』(現代思潮社)
・渡辺一夫『寛容について』(筑摩書房)
・Lenard Swidler, ed., Toward a Universal Theology of Religion (Orbis)
・Paul Griffiths, Christianity through Non-Christian Eyes (Orbis)
・Hans Kung et al., Christianity & World Religions--Paths to Dialogue (Orbis)
・Anri Morimoto, "Two Types of Religion--In Search of a Better Foundation for Interreligious
Dialogue in the Asian Context" (ACUCA Conference Invited Speech)
COURSE REQUIREMENTS:
1. 毎週割り当てられている論文を熟読の上で討論に参加すること。この授業では、担当の時に限らず、学生の発言や質疑応答などの積極的な参加を評価します。
2. 学期中に一度、A4用紙1-2枚のレズメを用いて発題する準備をしてもらいます。実際の発題は、受講する人数により変化します。レズメは前日火曜日正午までに私の研究室 (ERB-227) まで届けること。クラス人数分のコピーはこちらでします。提出時間を守ってください。遅れて提出されたものは、原則として扱いません。
3. 講義や討論を踏まえ、授業で扱われた宗教間対話を巡る諸問題について、問題設定を明確にした期末レポートを書いてもらいます(A4用紙10枚以内)。
4. 評点の配分は、発題が3割、授業への貢献による平常点が3割、期末レポートが4割です。先回授業で同じ主題を扱った時の GPA は、A=14人、B=19人、C=11人、D=0人、E=5人の計49人で、2.76 でした。