PHR107J 宗教学概論


Autumn 2011, 3/TU 23/TH, H-253 Instructor: A. Morimoto

目的 (Course Description)

宗教とは何か。いやそもそもそんな問いは可能か。人はなぜ宗教を求めるのか。いやそもそもそんな問いに意味はあるか。宗教を問う者は誰か。いやそう問うあなたは誰なのか。宗教と呼ばれるものには何が含まれるのか。宗教学は他の学問とどこが違い、どこで隣接し、どこが共通なのか。宗教学はどのような発展を辿ったか。宗教学の発展の舞台であった西洋近代は何を問うていたのか。そこで見いだされた答えは西洋近代をどのように照らし出すか。いやそもそも現代の日本でそんな問答に首を突っ込もうとするあなたは誰なのか。つまりこれは、他者理解と自己理解の方法として宗教学を学ぶ授業、かな。

目標 (Course Learning Goals)

宗教学の基本的な概念や用語を学んで適切な問いを立てる力を養い、かつそれらが現実理解の道具としてはなおあまりにも不十分であることを学ぶ。

内容 (Contents)

はじめに宗教学という学問の課題を概観し、その発達の歴史を辿った後、いくつかの代表的な宗教学の著作を通して基本的な問いや範疇を学びます。取り上げる予定の人物は、シュライエルマッハー、ミュラー、フロイト、フレイザー、ジェイムズ、WCスミス、エリアーデ、バタイユなど。途中公務出張があるので、10/4 と 10/6 はヴィデオ(日本語)を見ながら解くクイズをやってもらいます。期末試験の他に、A4用紙1枚の(英語を含む)文献読解レポートを何回か課す予定。100番台なので講義が中心ですが、受講人数により授業運営のスタイルは変わります。いつものように、質問やコメントを歓迎します。

成績とグレーディングポリシー (Evaluation and Grading Policy)

授業への参加と貢献が2割、期末試験の成績が5割、その他の提出物が3割。なお、授業には必ず出席すること。本を読んでいれば済むような授業ならそもそも出席する価値はありません。

参考文献 (Reference Books)――いずれも図書館のリザーヴにあります。

授業予定(変更の可能性大いにあり)

9/8 導入「宗教学とは」 講義の概要、目的、範囲、参考文献

9/13
9/15 シュライエルマッハー『宗教論』

9/20 フレイザー『金枝篇』
9/22 ミュラー『宗教学入門』

9/27 エリアーデ『宗教学概論』
9/29

10/4 ビデオクイズ『世界諸宗教の道』(イスラム教)――公務出張 (Evanston, IL)
10/6 『世界諸宗教の道』(仏教・ヒンドゥー教)

10/11 フロイト『トーテムとタブー』
10/13

10/18 バタイユ『呪われた部分』
10/20

10/25 Wilfred Cantwell Smith, The Meaning and End of Religion (1964) Chapters 2 and 3.
10/27 Wilfred Cantwell Smith, Believing--An Historical Perspective (1977)

11/1
11/3 休日(文化の日)

11/8
11/10 まとめ

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