HRe250J キリスト教倫理I:アメリカの宗教と倫理 Fall, 1998
 
主題:フェミニズムと同性愛に関する現代アメリカキリスト教の取り組みを考察する
 
9/9 序論:「キリスト教倫理」と現代の性倫理
9/16 啓蒙期のフェミニズム
 ウルストンクラフト『女性の権利の擁護』1-4章
 ギルマン『フェミニジア』
 
9/30 今世紀のラディカルフェミニズム
 ミレット『性の政治学』2章
 ファイアストン『性の弁証法』1, 10章、結論
 
10/7 フェミニスト神学の問いかけ「神は男性か?」
 リューサー 2章「神のイメージの中の男と女」
 ホロウェイ 9章「言語変化と男性の悔改め」
 Achtemeier, "Why God is not Mother" Christianity Today (8/16/1993)
 
10/14 フェミニスト神学の行方「ポスト・キリスト教?」
 Daly, Beyond God the Father (Chaps. 1 and 3)
 リューサー 5章「キリスト論:男性の救い主は女性を救えるか」
 ホロウェイ 4章「キリスト教は救いようがないほど性差別的か」
 
10/21 公開討論「買売春は是か非か」
(聴講参加者は江原由美子編『フェミニズムの主張』を熟読の上で参加すること)
特別講演「フェミニスト神学が現代日本の私たちに問いかけるもの」絹川久子先生
 
10/28 同性愛と聖書解釈(聖書を持参すること)
 ボズウェル『キリスト教と同性愛』4章、付録 I
 Siker, Chap. 1, "Awaiting the Redemption of Our Bodies"
Chap. 2, "Reading the Text into Context"
 
11/4 同性愛は祝福されるべきか
 Siker, Chap. 3, "Cardinal Ratzinger's Pastoral Letter"
Chap. 4, "Challenging the Church to Grow"
Chap. 6, "Moral Reasoning"
Chap. 7, "Scientific Reasoning"
 
11/11 世界の諸宗教伝統における同性愛
 Swidler, Chap. 2, Hinduism
  Chap. 3, Buddhism
  Chap. 7, Islam
  Chap. 8, Chinese-Japanese Religions
 
参考文献
 
1. フェミニズムの歴史概観
 
・ドノヴァン『フェミニストの理論』(勁草書房)
・ウルストンクラフト『女性の権利の擁護』(未来社)
・ギルマン『フェミニジア』(現代書館)
・ミレット『性の政治学』(ドメス出版)
・ファイアストン『性の弁証法』(評論社)
・ファルーディ『バックラッシュ:逆襲される女たち』(新潮社)
・亀井俊介『ピューリタンの末裔たち:アメリカ文化と性』(研究社)
・江原由美子編『フェミニズムの主張』(勁草書房)
 
2. 現代キリスト教のフェミニズム
 
・ゴスマン『フェミニズムとキリスト教』(勁草書房)
・クライスト・プラスカウ編『女性解放とキリスト教』(新教出版社)
・リューサー『性差別と神の語りかけ』(新教出版社)
・ホロウェイ編『教会の性差別と男性の責任』(新教出版社)
・Daly, Beyond God the Father (Beacon)
 
3. 同性愛とキリスト教
 
・ボズウェル『キリスト教と同性愛』(国文社)
・McNeill, The Church and the Homosexual (Beacon)
・Hanigan, Homosexuality: The Test Case for Christian Sexual Ethics (Paulist)
・Swidler, ed., Homosexuality and World Religions (Trinity)
・Siker, ed., Homosexuality in the Church: Both Sides of the Debate (W/John Knox)
・Seow, ed., Homosexuality and Christian Community (Westminster/John Knox)
 
COURSE REQUIREMENTS:
 
1. 学期に一度、15分程度の発題をしてもらいます。担当部分がクラス全員に理解しやすいように、レズメを準備をすること。レズメは前日火曜日正午(厳守)までに研究室 (ERB-227) に提出すること。その上で、実際の発表者はその中から適宜数人を選びます。
 
2. 期末レポート。講義や討論を踏まえ、キリスト教とフェミニズムないし同性愛のかかわりについて、問題設定を明確にしたレポートを提出すること(A4用紙10枚以内)。
 
3. 授業参加を大学生活の top priority にすること。質疑や討論における積極的な参加を評価します。評価は、期末レポートが5割、授業中の発題が2割、発題以外での平常点が3割で行います。