HRe102J キリスト教史1 Autumn 2004
 
主題:アメリカのキリスト教史(植民地時代から独立革命期まで)
 
アメリカは、歴史的にも現在も、例外主義と普遍主義が表裏一体をなした国である。その両面を基礎づけているのは、アメリカに独特なキリスト教である。ところが、日本人のアメリカ理解には、キリスト教の理解が大きく欠如している。現在のアメリカを今なお規定している植民地時代のアメリカについても、知る人は少ない。ICUに入学した諸君には、この欠落を補ってバランスのとれたアメリカ像をもってもらいたいと願っている。
 
 
内容点描
 
 1.ヨーロッパ的起源と「アメリカ」の始まり
 2.ピルグリムと「メイフラワー契約」
 3.ピューリタンの信仰と生活――神話と現実
 4.初等教育と高等教育(ハーヴァード)
 5.政治と宗教――正統と異端
 6.先住民との関わり
 7.セイラム魔女裁判
 8.大覚醒――現在に至るアメリカの伝統
 9.黒人奴隷とキリスト教
 10.独立革命と啓蒙主義とキリスト教
 
課題
 
1.授業には必ず出席すること。遅刻もしないように。2限のクラスは10時10分からです。あまり遅刻が過ぎると、入室をお断りすることもあります。
2.小テストを5回行う予定です。その際には、ノートなどを見ることはできません。つまり、授業を聞いて理解してあればできる内容だ、ということです。
3.期末テストをどうするか、現在考慮中。たぶん実施すると思いますが、その比重は小さいでしょう。
4.授業理解の視覚的な参考にするため、英語のヴィデオを数回見ます。その内容も小テストの範囲に含みます。
 
 
成績評価
 
評点は、テストの総計に、出席や授業への貢献度を加味して出します。
はじめて出すクラスなので、前回の成績平均などの記録はありません。
(2/23/05付記――2004年度は、A=19人、B=19人、C=7人、D=7人、E=5人の計57人で、GPA=2.70でした。)
例年このクラスは非常勤講師にお願いしています。私が出すのは今回だけです。
(。。。と書きましたが、来年以降も冬学期に一つ出します。やってみてたいへん面白く、学ぶべき課題も大きいと感じました。――2/23/05付記)
 
 
参考文献
 
 来年出版される私の「アメリカ・キリスト教史」の原稿を使う予定。
 日本語では「アメリカ史」はありますが「アメリカのキリスト教史」は多くありません。
 翻訳書もありますが信頼できないことが多いので薦めません。
 
 ・曽根暁彦『アメリカ教会史』(日本基督教団出版局)は短くて便利ですが古いので入手できないかも。
 
 総説の基本文献を以下に挙げておきます。他に、個別文献は授業中に紹介します。
 
 ・Sidney Ahlstrom, A Religious History of the American People
 ・Winthrop Hudson, Religion in America
 ・Mark Noll, A History of Christianity in the United States and Canada
 ・Edwin Gaustad, A Religious History of America